最も重要なこと ― 自由に適した優れた仲間を集めること
企業において、採用の重要性をいくら強調してもし過ぎることはありません。多くの優れた経営者が「人材採用こそ最も重要な仕事である」と定義し、採用を最重要事項にする企業文化を作り上げようとしてきました。
「好きな時間に、好きな場所で、好きなことをする」ワークスタイルを掲げるEverforthですから、その重要性が極めて高いことは自明です。
多様性の中で、共通して求めるべきこと
技術的なスキルは求めるポジションによって当然変化しますが、Everforthで働く上で共通して求められる能力としては以下のようなことが考えらます。
自由適性
「好きな時間に、好きな場所で、好きなことをする」働き方でパフォーマンスを発揮するには、自由な環境でありながら(だからこそ)、求められる成果を出すことのできる能力が必要で、それを「自由適性」と呼んでいます。
一般的には、自律性と呼ばれるものに近いかもしれません。強制されなくても、仕事に取組み成果を出すために必要なことは、強い責任感かもしれませんし、仕事そのもの対して面白さを感じているからかもしれません。その原動力となるものは人それぞれだと思いますが、結果としては、自由な環境でも成果が出せる、または、自由であるからこそ才能を発揮できる人物であることが必要です。
テキスト能力
Everforthは、非同期的にメンバーが仕事をする前提のため、チャットで物事が進みます。大量のテキストを処理し、成果を出していくためには、正確に、早く、文章が書けること、読み取れることが極めて重要な能力となります。
自己解決能力
Everforthは、集合的に対面して仕事をする場面が少ないため、高い自己解決力が求められます。普通の会社では聞いてしまえば解決するようなことも、目の前に人がいない以上、過去のログを探索するなどして、解決できないといけません。
もちろんいつまでも一人で考えていて時間がかかってしまうようであれば、チャットで質問するなどして解決すればいいのですが、その解決方法のさじ加減も含めた意味で、高い自己解決能力が必要であると言っていいでしょう。
人を見抜くことは誰にもできない
Everforthは、それほど選考に時間をかけていません。面接の回数を増やしたり、会う人数を増やしても、入社後のパフォーマンスの確度がそれほど上がるとは考えていません。人を見抜く、ということは基本的にできないと考えていますし、パフォーマンスは、当人の資質だけではなく、相互の関係性に影響を受けるため、極論を言えば「やってみなければわからない」のです。 そのため、こちらが良いと判断し、当人にもその意思があれば、割と気軽にチームにジョインしてもらいます。 ただし、流動性を持つことが組織のクオリティを保つ前提になります。
現在の日本では解雇は容易にできないため、双方がこの考え方に合意することが重要です。 当然、あまりに入れ替わりの早い組織は、様々な綻びを生みますので、一定の慎重さは大切になりますし、候補者の人生やキャリアに影響を与えてしまいますので、互いに納得するようなコミュニケーションを心がけています。
オープンドアポリシーとタレントプール
ポジションが発生するたびに募集をかけ、応募者の中から必要な人数を選択して採用する。多くの一般的な会社の採用方法はそのようになっています。 Everforthは、常に優秀な人材を求め続け、そのためのドアは常に開いています。
もちろん経済条件等により無制限に人材を受け入れることはできませんが、出会いの機会を閉ざす必要はありません。出会うことさえできれば、あとは互いのタイミングの問題です。実際に出会ってから、数ヶ月後・数年後に一緒に仕事をするようになったメンバーはたくさんいます。一度出会った優秀な人材は、タレントプールとしてその関係を維持・拡大することが重要です。
優秀な人材の確保という観点だけではなく、長期的には求人コストを大きく削減する結果となります。
育成研修ではなく、機会と成長
Everforthには、現在のところ体系的な育成の環境はありません。ストレッチできる適切なロールを提供し、優秀なメンバーに触れることが最も成長に繋がると考えていますし、この働き方の中では、自立的に学習できる能力が強く求められるからです。
前提としているプロフェッショナルなチームにおける育成とは、研修ではなく、成長に最適な機会を提供することに尽きると考えています。
人がパフォーマンスを発揮する上で、どのような仕事をするか、誰と仕事をするかは決定的に重要です。何かの仕事でうまくいかない時に、本人に資質がないと決めつける前に、より向いている仕事はないか、より相性のいい関係はないかを探ることは、会社が成果を出していくために、また本人が成長するために極めて重要なことです。
スキルやキャパシティをストレッチできる適切な仕事を与えることができれば、人は成長し、また、組織に対する貢献感を持つことができ、心理的安全性も担保されます。 また、能力の高い人は、理解や習得が早いがために、いい意味で「飽きやすい」という傾向も見られます。
マンネリを防いで、常に刺激ある環境を提供するためには、適切なタイミングで新しい仕事を用意する必要があります。
Everforthは、このようなタイミングをキャッチするために3ヶ月に一度面談の機会を設けています。当然、誰もが「好きなこと」だけできるわけではありませんが、一人ひとりの状況を把握し、個人と会社にとって常に一番いい役割を探り続けることは、非常に重要だと考えています。
評価はシステムではなく、コミュニケーションで
Everforthは、今のところ人事評価システムを持っていません。どれだけ緻密に設計しても、万人に公平で納得感の高い評価システムはできませんし、どんな制度もすぐに陳腐化・形骸化してしまいます。また、多くの会社が評価業務に莫大な時間を割かれている現状を考えると、この段階でシステマティックに評価することはあまり効果的・効率的であるようには思えません。
報酬に対する納得感を醸成するには信頼感とコミュニケーションが重要であるとの考えから、現在は年に2回(半期と期末)に報酬改定の面談を設けることにしています。 報酬に関しては、役割・能力・職種ごとの市場の相場・居住地域・稼働時間のコミット・会社の利益という要素を考慮して判断しています。
また、一般的に評価は、報酬を決めるためだけではなく、昇格の判断材料とされますが、Everforthは、職位の存在しないフラット組織ですから、昇格という概念自体が存在しないことになります。
このやり方は当然規模の限界がありますから、今後会社の成長に合わせて変化が起こる可能性はありますが、今のところはこのようなコミュニケーションによって納得感と信頼を醸成できるマネジメントを増やす方向性が適しているように考えています。
組織の流動性
Everforthは、流動性を前提にしている組織ですので、チームや会社から離れることに関して否定的には捉えていません。もちろん辞めて欲しくない人材が働き続けたい会社づくりに全力を注ぎますが、より本人に適した会社や仕事があるのであれば、その仕事に就くことが互いのためにも社会のためにもいいことだと考えます。
また、Everforthが前提にしている流動的で、変化の早い環境では、またいつ一緒に仕事をする機会が生まれるかわかりません。 優秀な人材のネットワークは何よりの価値ですから、何らかの理由で離れることになっても良好な関係を維持できるようにしたいと考えています。
厳しい判断をせざるを得ない時も、率直かつ真摯な態度で望むことが大切です。