Technology / Development Issues
EverforthのTechnology / Development Issuesの中心にあるのは、「業務と体験、事業と技術を一体として設計し、競争優位を生み出すこと」 です。クライアントの内部環境と外部環境を深く理解し、その先にいる消費者・エンドユーザを適切に捉えながら、事業やビジネスを前進させるために技術を用いることにこだわり、そこに競争優位を置くことと定めています。
AIの進化とモダン開発の成熟により、企業活動における技術の位置づけは大きく変わりました。技術は単なる効率化手段ではなく、顧客体験、業務構造、意思決定、さらには事業モデルそのものに直接作用する経営資源となっています。
一方で、実際の事業およびソフトウェア開発の現場では、従来型の開発体制に由来する前提や慣習に引きずられ、本来得られるはずの速度や自由度を失ってしまう場面がまだまだ少なくありません。本章で示す四つのポリシーは、こうした課題に対する私たちのアプローチを記したものです。いずれも個別の技術選択や手法の優劣を論じるものではなく、時代の変化を考慮した際、事業の進化を阻害する落とし穴を避けるための私たちの指針を示しています。
1.適切なデータアーキテクチャが堅牢性・アジリティ向上のKey Factorである
モダン開発において、システムの堅牢性とアジリティは、業務の分割方法よりもデータの設計と責務の置き方によって大きく左右されます。どのようにデータを保持し、更新し、参照させるかというアーキテクチャ上の判断が、長期的な運営の安定性と進化速度を決定づけます。
責務が曖昧なまま複数の業務やシステムが同一データを更新・解釈する構造では、・データ整合性が運用依存となる、・変更時の影響範囲が予測しづらくなる、・例外処理や調整が恒常的に発生する、といった状態に陥りやすくなります。
このような構造では、基幹領域の堅牢性が低下するだけでなく、変更や業務改善のたびに全体調整が必要となり、結果としてアジリティも低下します。特に営業・顧客接点領域のように業務間依存が強い領域では、データの責務設計が不十分なまま業務単位で分断すると、改善速度と変革の自由度は著しく制約されます。
Everforthでは、業務単位での分割を前提とするのではなく、データの生成・更新・参照における責務と境界を明確にした上でアーキテクチャを設計することを重視しています。
2. 事業インパクトの高い領域は進化速度と競争優位を最優先に自ら設計/構築せよ
ERPや業務SaaSは、標準的な業務構造・標準的なデータ構造に自社を適合させる場合に限り合理的な選択となります。すなわち、・業務を標準に合わせる、・それ以上の進化を求めない、・カスタマイズを最小限に抑える、という前提においてのみ、最適解となり得ます。
しかし、自社の競争優位の源泉となる領域、すなわち継続的に進化させていくべき基幹ドメインにおいては、この前提は成立しません。堅牢性、データ品質、アジリティ、体験設計、作り込みの自由度など多くの場面において制約となり、中長期的には事業進化のボトルネックとなります。
Everforthでは、事業インパクトの高い領域において、これらの汎用業務パッケージを基幹として採用する判断は原則として行いません。競争優位の源泉となるデータと業務については、自社およびクライアントの将来の変化を前提とした設計と実装を行い、長期的に進化可能な基幹構造を構築します。
一方で、差別化要因とならない周辺領域や、標準化された業務に適合する領域については、これらのサービスを適切に活用することもあります。重要なのは、どこを自ら設計・実装すべき基幹領域と定義し、どこを外部に委ねるかを明確に線引きすることです。
Everforthは、事業の進化速度と競争優位を最優先に、基幹領域については自ら設計し構築するという立場を取ります。
3.「アジリティを犠牲にすれば堅牢になる」はフィクション
一般的に、「堅牢性を高めるとアジリティは下がる/アジリティを上げると堅牢性は下がる」と語られることがあります。しかし、これは因果関係が逆転した認識です。実際には、高い堅牢性を持つ基幹構造こそが、持続的なアジリティを生みます。
基幹のデータ構造・整合性・責務分離が明確であるほど、変更・追加・例外対応は局所化され、改善速度はむしろ加速します。
逆に、基幹領域の堅牢性が低い場合、・周辺システムで補う、・フロント側で吸収する、・運用でカバーする、といった対処が常態化し、結果として全体の改善速度は低下します。基幹領域の弱さを周辺で補う構造は、短期的には成立しても、中長期では確実に事業成長の制約となります。
基幹領域の堅牢性を高い水準で維持するためには、設計力・実装力・運営力を含む高度な技術経営能力が不可欠です。Everforthでは、基幹領域におけるアジリティを競争優位の源泉と捉え、その前提としてアジリティと堅牢性を両立させた設計にこだわります。
4. AXは「設計」と「徹底した作り込み」の勝負
AI Transformation(AX)は、単にAIを導入することで成立するものではありません。その成果は、・理想の業務体験、・理想の処理フロー、・理想の意思決定構造、をどこまで具体的に設計し、どこまで実装しきれるかによって決まります。AIはその中の部品に過ぎません。
したがって、自由度や使いやすさを逆行した汎用基盤として抽象化する発想は、AXの本質と相反します。目指したい業務体験や処理フローのデザイン、設計と実装が行われて初めて、AIは実際の成果を生みます。
EverforthではAXを、汎用基盤ではなく事業実装そのものとして扱います。