Principles for the Free World

前提としてのプロフェッショナリズム

この章では、Everforthという独自の企業文化と圧倒的に自由なワークスタイルの中で、組織として、個人としてパフォーマンスを高めていくための考え方を記述したいと思います。

まず、前提にしなければならないのは、Everforthのメンバーは、すべからく「プロフェッショナル」である、ということです。

ミッション、ビジョンを理解し、そこに向かうためにチャレンジを繰り返し、仕事の成果とプロセスに責任を負う覚悟と能力を持った人材の集まり、です。

Everforthのメンバーは、お互いに相手をそのようなプロフェッショナルだと認識し、リスペクトし合うことが求められます。 そこには年齢や社歴も関係ありません。

子供に教え諭すようなコミュニケーションや研修など必要ありませんし、期待水準を下げていくことによって、優秀なプロフェッショナルをがっかりさせるような組織であってはなりません。

なぜ「自由」な働き方が重要なのか

第2章でも書いたように「好きな時間に、好きな場所で、好きなことをする」というワークスタイルは、「異能」を集め、その才能を最大限発揮してもらうという戦略的な目論見でもあります。

息苦しさの中では発揮されない異能を持った人材、時間や場所さらには組織というものの制約にも捉われずに働きたい人材を集め、思う存分楽しく働いてもらうことによって、優れたプロダクト、優れたサービスを作り上げていくためです。

形にはまらない優れたプロフェッショナルを集め、互いに力を合わせるには、多様な働き方を認め合うことは必然であり、そこに、Everforthが「自由」である意味があります。

Everforthのマネジメント原則

Everforthの自由な組織においては、一般的な会社より遥かに「個」が優先されると考えていいでしょう。 強い個性こそ、我々が生み出そうとする価値の源泉であり、それがなければ、何事もなし得ない凡庸な組織で終わるからです。

そのため、Everforthは、「個」に対して寛容性が高い組織であると言えると思います。

仕事でミスをしても、叱責されたり、それが理由で解雇や減俸などの懲戒を受けることはありませんし、人格、発言、趣味、性癖、宗教などによって、不利益を被ることもないはずです。

さらには、一般的な会社では注意されるような言動(遅刻してしまうこと、挨拶できないこと、社会的に不適切と思われるような発言など)でさえ、そこに悪意がない限り、許容されると思っていいでしょう。(もちろん、それが行きすぎて、パフォーマンスが悪かったり、誰かに迷惑をかけ続けるとなれば話は別です) 世間では「変わった人」と呼ばれてしまうような人が、Everforthにはたくさん在籍しています。 Everforthは変人を大歓迎します。変人のポジティヴな側面の能力を最大限発揮してもらえばいいと考えています。

そのような強い個の集団を組織するためのマネジメントの原則をいくつか列挙しておきます。

VGTA Driven

Everforthは、メンバーが自律的に効果的に活動できるようにするためにVGTAというモデルを考案し、運用しています。

VGTAはVision(ビジョン)、Goal(ゴール)、Theme(テーマ)、Artifact(アーティファクト、成果物)という4つの項目からなります。

•ビジョン:普遍的なビジョン

• ゴール:ビジョン実現のための1年から3年でのマイルストーン

• テーマ:年間で設定する、ゴールを実現するために必要となること

• アーティファクト:四半期単位で設定する、テーマの実現に向けた具体的な指標

このサイクルを回すことで、組織におおよその方向性を示し、修正を繰り返し続けます。

精緻な計画や数値管理ではなく、大局的な視座で組織をマネジメントします。

Suitable Rolls and Challenges

メンバーの志向性とスキルに応じてロール/タスクをアサインし、調整し続けます。 人間は向いていることをやっている時に一番成果が出やすく、またモチベーションが湧きやすいはずです。

ただし、コンフォートゾーンから抜け出て成長するためにも、適度なチャレンジや幅のある活動が必要になります。 一人一人とコミュニケーションを取りながら、ロールやタスクのアサインを柔軟に考えていく必要があります。

Continuous Alteration

Everforthに存在するあらゆるものは、継続的に変化し続ける、という前提に立ちます。

不可侵なものはただの一つも存在しません。 ルールは、定まった瞬間に陳腐化が始まると捉え、一度決まったことも全て暫定的なものであり、定期的に見直されるか、廃棄されるべきと考えます。

変化と変更が前提の仕組みと運用を意識します。

Intuition and Logic

自分、そして他人含めて全ての人間の脳には、バイアスがあり、ヒューリスティックスがあります。

マネジメントにも、簡単には言語化できない直感の要素があり、自らのそれを信じて意思決定・行動することは大切なことだと考えます。

なぜなら多くのことはそうですが、特にマネジメントには「正解」がなく、答え合わせの発想ではうまくいかないからです。自らの言動に自信を持ち、「正解にする」という態度が重要だからです。

もちろん体系的にまとめられたマネジメントのスキルや考え方を学習することも非常に大切です。 論理にも直感にも使い道があります。

論理だけで考えたり、他者とコミュニケーションしてもうまくいきませんし、また逆も然りです。

マネジメントにはどちらの要素も持ち込むこと、また、今はどのバランスで自分は振る舞っているのかを意識できるようになることが重要です。

Servant Leadership

指示をするではなく、メンバーの自律性を促し、全力でサポートすることがEverforthのスタイルです。

メンバーの失敗を奨励し、 失敗の責任を引き受けます。 自由な環境を享受して、失敗を恐れず、好きなようにチャレンジしてもらうために、できることはどんなことでもします。